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2026年5月31日運営ノート / ジャンル / AI 音楽

メタルをロックから独立ジャンルにした理由

2026-05-31、AI MUSIC JUDGE はジャンル体系にメタルをロックから独立させた。小さな変更に見えるが、なぜ今やったのか、どこまでやるのか——運営の考え方を正直に書いておく。

2026-05-31、AI MUSIC JUDGE のジャンル体系にひとつ変更を入れました。これまで「ロック」の中に一緒くたに入っていたメタルを、独立したジャンルとして切り出した、という話です。

ユーザー側から見ると「選択肢が 1 個増えた」だけの地味な変更です。でも個人的には、このサイトがジャンルというものをどう扱うか、という考え方が少し固まってきた節目だと思っているので、決断の理由を残しておきます。

なぜ「ロック」の中に入れたままではいけなかったのか

最初の設計では、メタルはロックのサブジャンルという扱いで、同じ一枠に収めていました。「広義のロックにメタルも含まれる」という考え方は間違いではないし、音楽理論的に見ても、ルーツをたどればつながっている部分は多い。

ただ、実際に投稿が積み上がってくると、ロックというタグひとつで管理するには無理が出てきていました。メタルの中には thrash、death、black、doom、djent など、それぞれ別の価値観と文法で動いているサブジャンルの世界があります。ひとつのコミュニティが成立しているというより、複数の濃いコミュニティが並走している、というイメージの方が近い。「メタルっぽい曲が投稿された」で済まない密度がそこにはあります。

それをロックと同じ箱に入れておくと、ロックを探しているユーザーのフィード上にメタルが混ざり続けます。逆も然りで、メタルを探しているユーザーには、自分が求めているものがどこにあるのかが見えづらくなります。一枠に収める設計は、どちらの体験も少しずつ損ねていたと思います。

「聴けない層がフィルタで避けられる」ことの価値

メタルを独立させたもう一つの動機は、少し逆説的な話になります。

メタルは好みの分断がはっきりしているジャンルです。「メタルは音が苦手で、ちょっとスキップしたい」というユーザーが一定数います。ロックとメタルが同じ枠にある状態だと、そのユーザーはロックを聴きに来てもメタルに当たって、なんとなく居心地が悪くなって離脱する、という流れが起きえます。

一方で、メタルが独立していれば、苦手な人は選ばないし、好きな人は迷わず選べる。「フィルタで外せる」というのは、排除しているわけではなくて、棲み分けを可能にしているということです。

これはユーザーに特定のジャンルを聴かせたいという意図ではなく、自分が聴きたいものを自分で選べる解像度を上げる、という話です。「なんとなく流れてきた」体験より、「ここに来ると自分の好きなものがある」という体験の方が、長期的に見てサイトへの信頼につながるだろう、という判断でもあります。

AI 音楽でも、ジャンルの「濃さ」「棲み分け」は効く

AI で音楽を作るとき、プロンプトにジャンルを書くのは当たり前になっています。Suno や Udio でも、「thrash metal」と「doom metal」では出てくる音が全然違います。

ということは、投稿者もジャンルを意識して作っているし、聴く人も「今日はこういう気分で聴きたい」という文脈を持ってサイトに来ています。ジャンル分けの粒度がその意識と合っていないと、どこかでズレが生まれます。

AI 音楽だから人間の音楽より分類が雑でいい、という理屈はないと思っています。むしろ、AI ツールがジャンルに敏感であるほど、聴く側のジャンルへの期待も精度が上がっています。その期待に応えるジャンル粒度が、サイト設計には必要だという感覚がだんだん強くなってきました。

審査員との絡みで言うと

ジャンルが変わると、審査員 8 人のスコアの意味も少し変わります。

MASK(エネルギー/破壊力/感情の爆発)は明らかにメタル文脈と相性が良い審査員です。一方で、田中 義雄(メロディ/情感/記憶)や御前(音の純度/構成美/必然性)は、ジャンルによって評価の方向性が変わってくる。メタルをロックと分けたことで、「この曲はメタルとして審査された」という文脈が少し明確になります。

もちろん、AI の審査員はジャンルのラベルだけで判断しているわけではなく、投稿されたデータを解析した上でスコアを出しています。ただ、ユーザーがどのジャンルで出すかという選択は、どの審査員の評価軸が刺さりやすいかを考える入り口にもなりえます。

サブジャンルの第 2 階層は「今は保留」

現時点では、メタルをひとつのジャンルとして独立させたところまでです。thrash / death / black / doom / djent といったサブジャンルをさらに細かく分けるかどうかは、まだ決めていません。

判断を保留している理由はシンプルで、分けるほど投稿者の選択負荷が上がるし、投稿数が少ないジャンルは棚が空のままになる、という問題があるからです。棚は先に作ればいい、という考え方もありますが、ほとんど使われないラベルを増やし続けるのも、個人運営の身としては管理コストが重くなるだけです。

投稿数が積み上がってきて、「thrash と death は明らかに別の層に支持されている」という傾向が見えてきたら、そこで第 2 階層を検討する、というくらいのペースで進めようと思っています。おそらくそれは今年の話ではないと思いますが、正直なところを書いておきます。

小さな変更に運営の考え方が出る

ジャンルの整理は地味な仕事です。機能の追加でも、見た目の変化でもないので、ほとんどの人は気づかないかもしれません。

ただ個人的には、こういう地味な判断の積み重ねが、サイトが何を大切にしているかを少しずつ形にしていくと思っています。「聴く側のために棲み分けを作る」という考え方は、AI リスナーを設計したときも、フィルタの粒度を決めるときも、毎回同じ問いとして戻ってきます。メタルの独立もその延長線上にある判断です。

まだ整理しきれていないジャンルや、定義が曖昧なまま運用しているジャンルも正直あります。どこかのタイミングでまた整理することになると思いますが、その都度、こういう形でノートを残すようにしたいと思っています。

この記事を書いた人

ジェフ兄 — AI MUSIC JUDGE を 1 人で運営している個人開発者

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