
Udio CEOが語るAI音楽の未来と著作権・帰属モデルへの見解
AI音楽の世界で、ついに「作った側」ではなく「作らせた側」が本音を語り始めた。UdioのCEOアンドリュー・サンチェスが、Music Business Worldwideのインタビューで口を開いた内容が、業界にじわじわと波紋を広げている。
サンチェス氏が問題視したのは、いわゆる「ウォールド・ガーデン」、つまりクローズドなプラットフォームの構造だ。特定の企業が学習データも生成エンジンも流通経路もまるごと囲い込む状況は、AI音楽の健全な発展を妨げる、という立場である。これは業界全体の話であり、Udio自身がどこまで開かれているかとは別の問いでもある。率直に言えば、クローズドを批判する声がクローズドな文脈から出ることの皮肉は、誰もが薄々気づいている。
もうひとつ踏み込んでいるのが、著作権と帰属モデルをめぐる見解だ。Warner対Sunoの訴訟をはじめ、AI音楽の学習データと既存楽曲の関係をどう法的に整理するかは、業界全体が解を持てていない問題だ。帰属エンジン、つまり「このAI楽曲はどのアーティストの影響を受けているか」を可視化して報酬を分配しようという仕組みについて、サンチェス氏は懐疑的な姿勢を示している。仕組み自体への反対というより、現状の技術的・法的な精度ではまだ機能しないという、ある種の冷静な現実認識に近い。
じゃあ何が作品なんだ、という話になる。プロンプトを打った人? 学習データを提供したアーティスト? システムを構築した企業? 帰属の問いはそのまま「創作とは何か」という問いと地続きで、今の法律も今の慣習も、まだその問いに追いついていない。
うちが気になるのは、この議論の射程だ。AI音楽を「作る」ユーザーにとって、帰属モデルの設計は他人事ではない。自分が作った楽曲の扱いが、どのプラットフォームを選ぶかによって根本的に変わりうる時代がすぐそこまで来ている。サンチェス氏の発言は、Udioというプレイヤーの立場表明であると同時に、業界全体のルール形成に向けた牽制球でもある。誰が得をする仕組みを作るのか。そこを見ていれば、議論の本当の意味が見えてくる。
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