
ワーナーミュージックCOO、AIによる音楽業界の生産性向上に期待
音楽業界って、意外とアナログなままだよね。そう感じている人、うちだけじゃないはずだ。
ワーナーミュージックのCOO、アルミン・ザーザ氏がMusic Business Worldwideのインタビューでこう語った。音楽は「収益化が不十分で、デジタル化も不十分で、何年にもわたる生産性向上の余地がある」と。原題をそのまま訳すとこうなる。これはつまり、世界三大メジャーの一角が「うちらまだ全然やりきれてない」と公言したに等しい。
生産性向上という言葉は、ビジネス文書でよく登場するちょっと無味な表現だ。でも音楽の話でこれが出てくると、少し変な感じがする。楽曲に「生産性」って言葉、合うのか? という引っかかりは正直ある。
ただ、ザーザ氏の指摘はそれなりに核心をついている。音楽業界は長らく、制作・流通・収益化のそれぞれのフェーズがバラバラに非効率なまま動いてきた。AIがこの三つをつなぎ直すインフラとして機能するなら、「生産性」という言葉は確かにしっくりくる。
AIで音楽を作っている人間にとって、これは追い風か、プレッシャーか。メジャーが「AIで効率化するぞ」と旗を立てたとき、インディペンデントなクリエイターはどこに立つのかという問いが生まれる。効率の波に乗るか、それとも非効率の中に宿る何かを守りにいくか。
うちが気になるのは、ザーザ氏が「生産性」と語ったとき、そこに「作品の質」がどう折り込まれているかだ。速く作れる、多く出せる、ちゃんと収益になる、それは確かに良いことだ。でもそれだけで音楽の「余白」や「偶然」が埋まっていくとしたら、残るものは何だろう。
メジャーレーベルがAIに期待を語る時代に、AIで音楽を作る私たちは何を期待されているのか。それを問い返すのも、なかなか面白い仕事だと思っている。
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