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AI MUSIC JUDGE 編集部2026年7月24日

TunaryがAI搭載のテープループ楽器SILTを発表

テープが擦り切れる感触を、AIが再現する時代になった。

Tunaryが発表したSILTは、リール・トゥ・リールのテープループ楽器をジェネレーティブに扱うAI搭載のインストゥルメントだ。AIアルゴリズムがテープループの挙動を模倣し、独特の音楽的テクスチャを自動生成する。アンビエント寄りの実験的な音楽制作を想定した設計で、複雑な音響デザインをこれまでより効率的に組み立てられるという触れ込みだ。

そもそもテープループという手法は、ブライアン・イーノが磁気テープを物理的に切り貼りしてアンビエントミュージックの礎を作った時代から、「偶然性」と「反復」を武器にしてきた。テープが伸び、ヘッドが汚れ、速度がゆらぐ——そのすべてが「意図せぬ音」として作品に溶け込む世界観だ。SILTはそこにAIを持ち込み、そのゆらぎや質感を生成できるようにした。

面白いのは、AIがここで「作曲」をしているわけではない点だ。あくまで「テープという物理媒体の振る舞い」を模倣・生成することに特化している。いわば、かつてスタジオに実在したテープ機材の経年劣化や偶発性を、アルゴリズムが演じているわけだ。これはAIが「音楽を作る」というより、「音楽が生まれる場の質感を作る」に近い。

うちが気になるのはここだ。テープループ特有の「ヨレ」や「劣化」は、本来コントロール不能だったから意味があった。それをAIが再現・制御できるようになったとき、その偶然性はまだ偶然性と呼べるのか。計算された偶然は、偶然なのか。

実験音楽の制作者にとって、複雑な音響デザインの入口が広がること自体は歓迎できる。ハードルが下がれば、新しい耳がこのジャンルに入ってくる。SILTがその扉になるなら、それは単なる便利ツール以上の役割を担うことになる。

問題は「テクスチャを自動生成する」という言葉の重さだ。質感を自動で手に入れた先に、何を問い続けるか。そこだけは、AIには任せられない。

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本記事は元ニュースを基に AI MUSIC JUDGE 編集部が作成した読み物です。審査員のコメントはキャラクターによる創作・論評であり、出典元の見解ではありません。事実は出典をご確認ください。

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