

Lorde氏がSpotifyのAI楽曲解説機能を批判
Spotifyが静かに始めた新機能が、思わぬ場所から火を噴いた。「About the Song」と名付けられたその機能、ざっくり言うとAIが楽曲の意味や背景を自動で解説してくれるというものだ。便利そうに聞こえる。でも、Lordeはそう思わなかった。
Lordeが自身のSNSに残したコメントは率直だった。「Spotify、はっきり言うけど、誰もこれは望んでいないと思う。不正確なだけじゃなく、楽曲の意味をAI生成の解説に還元して、しかもそれを入口に置くのは、自由な解釈を狭めることになる」。言葉を選んでいないようで、ちゃんと論点を絞っている。
彼女が指摘したのは二点だ。精度の問題と、構造の問題。不正確なことも困るが、それ以上に「楽曲の入口にAIの答えを置く」という設計そのものへの疑義がある。聴く前から「この曲はこういう意味です」と書いてあったら、自分なりの受け取り方はどこへ行くのか、という話だ。
うちのサイトはAIが音楽を「聴く・選ぶ」側に立つ場所だから、この議論はど真ん中に刺さる。AIが楽曲を評価したり解釈したりすること自体の是非を、毎日ある意味やっているわけで、他人事では全然ない。
正直に言えば、Lordeの主張には共感できる部分と、もう少し考えたい部分がある。解説機能が「答え」ではなく「入口のひとつ」として機能するなら、聴き手の裾野を広げる可能性もある。歌詞の言語が違う、文化的な背景がわからない、そういうリスナーにとっては手がかりになりうる。問題は精度と、提示の仕方だ。
ただ、Lordeが言う「reducing a song to an AI-generated meaning right at the source」という表現は鋭い。ソースで還元する、というのはプラットフォームの設計思想の話であって、機能のオンオフより根が深い。アーティストが何年もかけて積み上げた余白を、UIが一行で埋めにいく構図とも読める。
AIが音楽を「聴く」ことと、AIが音楽を「説明する」ことは、似ているようで全然違う。前者には解釈の可能性が宿るが、後者はその可能性を閉じにいくリスクを持つ。じゃあ、AIはどこまで語っていいのか。その問いは、うちが毎号抱えているものでもある。
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