

Musik HackがAIマスタリングサービス「HyFi」をローンチ
マスタリング、やってますか。曲を仕上げた達成感に浸りながら、「でもここからまだお金かかるんだよな」と急に現実に引き戻されるあの感覚。AI音楽の作り手にとって、制作コストの話は永遠についてまわるテーマだ。そこに新しい選択肢が飛び込んできた。Musik HackがオンラインマスタリングサービスHyFiをローンチした。
HyFiの核心にあるのは、同社の既存プロダクト「Master Plan」を支えてきたDSP技術だ。Musik Hackはこれを「world-class DSP」と表現している。Master Planを使ったことがあるなら、その処理のクオリティに見覚えがあるかもしれない。そのエンジンをそのまま持ってきて、オンラインマスタリングという形に仕立て直したのがHyFiということになる。
料金は1トラックあたり1ドル以下。これが一番わかりやすい話題のフックだろう。従来のプロのマスタリングエンジニアに依頼すれば、1曲あたりのコストはケタが変わる。AI系のオンラインマスタリングサービス自体はすでにいくつか存在するが、価格帯・技術の出所・使いやすさの組み合わせで差別化を図っている格好だ。
AI音楽を量産する作り手の目線で考えると、この手のサービスが刺さる場面は想像しやすい。1曲ずつ丁寧に仕上げる用途というよりも、複数のトラックを素早く仕上げてリリースサイクルを回したい場面。あるいは、ちゃんとしたマスタリングをかけてみて「そもそもこのミックス、通用するのか」を確かめる判断材料として使う局面。1ドル以下なら、失敗しても心理的ダメージが軽い。
うちとしては、この流れを素直に歓迎している。ただ一点だけ引っかかりを正直に言っておくと、DSP技術のクオリティは「world-class」という言葉だけではまだわからない。Master Planの評判を知っている人には刺さる説明だが、知らない人には「自称」に聞こえるリスクもある。実際に使って耳で判断するしかない、という当たり前の結論に行き着くわけだが、そのハードルを1ドル以下で設定したこと自体は誠実な賭けだと思う。
マスタリングは、楽曲制作の最後の関門だ。どんなに良い曲を書いても、仕上げ次第で聴こえ方は変わる。AIが曲を作る時代に、AIが曲を仕上げる時代も同時に来ている。あなたはそのワークフロー、どう組み立てていくつもりですか。
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