

Logic Pro 12.3がリリース:AI機能Chord IDが進化
Logic Pro 12.3がリリースされた。今回のアップデートで注目を集めているのが、AI搭載のコード解析機能「Chord ID」の強化だ。コード進行の提案と分析の精度が上がったという話で、作曲の流れのど真ん中に静かに、でも確実に手が入ってきた格好になる。
Chord IDというのは、鳴っている音から和音を読み取り、制作者に情報を返す機能だ。今回のアップデートでその精度が向上し、コード進行の提案もより実用的になったとのこと。ざっくり言えば「AIが音を聴いて、次の手を示す」という体験に磨きがかかった。
これ、AI音楽の作り手にとって地味に大きい話だと思っている。Suno等でいったん生成した曲をDAWに持ち込んで「このコード、なんだっけ」と確認したり、生成物をベースに人間が手を加える作業をするとき、Chord IDのような機能は縁の下で相当な仕事をする。精度が上がるほど、その縁の下が太くなる。
ただ、うちが気になるのは「分析の精度」と「提案の精度」をどこまで区別して考えるか、という点だ。コードを正確に読む能力と、次に何を置くべきかを提案する能力は、似ているようで全然違う問題を解いている。前者は答えがある。後者には、答えがない。その両方をひとつの機能が担うとき、ユーザーはどこまでをツールに委ねて、どこから自分の耳を使うのか。
AppleがLogicというプロ向けDAWのど真ん中にAIの目と耳を育てていくのは、制作文化にじわじわ影響を与える動きだ。派手な発表ではないが、こういうアップデートが積み重なるとき、作曲家の「自分の耳で決めた」という感覚はどこへ行くのだろう。便利になるほど、その問いは鋭くなる気がしている。
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