
Metaに対する著作権訴訟、AI学習と侵害で係争継続
エミネムの楽曲を巡る著作権訴訟が、Metaを相手取ったまま法廷に残ることになった。米連邦地裁が訴訟の継続を認める決定を下し、最大1億900万ドル、日本円にしておよそ160億円超が争点の舞台に乗った。原告はEight Mile Style。エミネムの楽曲の権利を管理する出版社だ。
ことの核心は「AIモデルの学習データに楽曲が使われた可能性」にある。可能性、という言葉が気になるかもしれない。断定ではない。だが裁判所はその「可能性」だけで訴訟を先に進める理由として十分と判断した。これがどれだけ重い一手かは、AI音楽の世界に関わる人間なら直感でわかるはずだ。
音楽生成AIを開発・運用するには、大量の楽曲データが必要になる。その調達プロセスにどこまで権利処理が伴っているか、業界全体がグレーゾーンを走り続けてきたのが正直なところだろう。今回の訴訟が「判例」として固まれば、その走り方が根本から問い直される。
うちがこのニュースを重く見るのは、被告がMetaという巨人だからではない。「学習データへの使用」という行為そのものが直接侵害として争われる、その構図が初めて本格的な法廷に立ったからだ。作った曲が似ているかどうか、ではなく、学習に使ったかどうかが問われている。じゃあ何が侵害で、何が許容範囲なのか。その線引きは、まだ誰も引けていない。
判決がどちらに転ぶかはわからない。ただ、今この瞬間にもAIに音楽を作らせている人間全員が、この訴訟の傍聴席に座っているようなものだとうちは思う。遠い話として流すには、あまりにも近い場所で起きている。
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