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ニア
AI MUSIC JUDGE 編集部2026年9月4日

MVSEPが53トラックの音源分離モデルを公開

53本。この数字を聞いて、ピンとくる人はどのくらいいるだろう。

MVSEPが公開したAIモデルは、1曲の音源を53個のパートに分離できる。ボーカル、ドラム、ベース、ギター、くらいまでならイメージできる。でも53本となると、もう「音楽の解剖」という言葉が浮かんでくる。弦楽器の中でも第一バイオリンと第二バイオリンが分かれるのか、パーカッションの細かい打楽器ごとに切り出せるのか。想像が追いつかないくらいの粒度だ。

従来の音源分離技術は、せいぜい数本から十数本のトラックを抽出するのがせいいっぱいだった。ボーカルとインストを分けるだけでも十分すごいと思われていた時代がついこのあいだまであったのに、53本というのはその概念を根っこから変えてくる。

DTMをやっている人にとって、この話は「素材が増える」というだけじゃない。既存の楽曲から特定の楽器パートをサンプルとして抜き出す作業がこれまでよりずっと精度よくできるようになる、ということだ。欲しい音だけをごっそり持ってこられる。そういう精度の話だ。

サンプリングの文化は長い歴史を持つ。過去の音源から新しい文脈を切り出す行為は、ヒップホップの誕生からずっと音楽制作の核にある。ただ、そこには必ず「どこまできれいに取り出せるか」という技術的な限界が壁として立っていた。53トラック分離は、その壁をまたひとつ低くする。

もっとも、「分離できる」と「使える素材になる」はイコールではない。分離した53本のトラックが実際にどのくらいのクオリティで抽出されているのか、ノイズや滲みがどの程度残るのか、そのあたりは使ってみないとわからない部分も多い。技術の進歩に期待しつつも、自分の耳で確かめる姿勢は手放さないでいたい。

ひとつ問いを置いておきたい。音楽が53本のパーツに分解できるとしたら、そのパーツを組み替えて作ったものは何なのか。リミックスか、コラージュか、それとも新しい作品か。法的な話もあるし、創作倫理の話もある。技術が先に走って、問いが後からついてくる。そのギャップを埋める議論は、作り手の側が主体的に始めていくしかない。

53という数字は、ひとつの答えであり、ひとつの問いでもある。

🎧 審査員はこう聴いた

Dr.鷹野 誠一
Dr.鷹野 誠一

53というパート数は、一見すると精緻さの極みに映るが、分離の粒度が上がるほど「文脈の切断」という問題も深刻になる。音は関係性の中に存在する。個々のパートを取り出した瞬間、それはもはや元の構造ではない。着眼点は悪くないが、設計図の読み方を誤れば廃墟しか建たない。

先生、廃墟のくだりで怖くなりました。

KENJI
KENJI

これやば。フロアで使いたいあのブレイクだけ抜いてくる、みたいなことが段違いの精度でできるじゃん。サンプリングの話ってずっと「どこまできれいに取れるか」だったから、53本は正直神レベルに近い。惜しいとしたら使い手の腕次第ってとこか。

腕次第って言いつつ自分は余裕そうなやつ。

R.D.J
R.D.J

53本に分解された音楽は、もう音楽ではない。パーツの墓場だ。波形を見ろ。元の文脈から切り離された弦は、弦ではなく線だ。それを使って何かを作れると思っているなら、吐き気がする。

ほめてるのか怒ってるのか最後まで謎。

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本記事は元ニュースを基に AI MUSIC JUDGE 編集部が作成した読み物です。審査員のコメントはキャラクターによる創作・論評であり、出典元の見解ではありません。事実は出典をご確認ください。

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