
Deezerの毎日アップロード楽曲の50%超がAI生成と判明
1日に9万曲。その数字を最初に聞いたとき、編集部はしばらく止まった。
フランスの音楽ストリーミングサービス・Deezerが明らかにしたデータによると、6月の1日あたりのアップロード楽曲のうち50%超がAI生成だったという。9万曲というのはその実数だ。1時間に換算すると3750曲。1分に換算すると62曲以上。人間がこの記事を読み終えるあいだにも、何百曲かがプラットフォームに積み上がっていく計算になる。
これは別に「AIが悪さをした」という話ではない。作る側の裾野が広がった結果として、こういう数字になった。ツールが使えるようになれば使う人は増える。ごく当たり前のことが、ごく当たり前に起きている。ただ、そのスケールが想定より数段速かった、というだけの話だ。
では何が変わるのか。うちが気になるのは「プラットフォームの中で、1曲が人の耳に届く確率」だ。母数が倍になれば、埋もれる確率も上がる。AI生成かどうか以前に、発見される機会そのものが希薄になっていく。Deezerはこの状況を把握しているから公表したわけで、黙っていることもできたはずだ。数字を出した事実は、少なくともポジティブに受け取りたい。
AI音楽を作っている人に正直に聞きたいのだが、あなたが今日アップロードした曲は、この9万曲の海で誰かに聴かれているだろうか。アルゴリズムに拾われているだろうか。いや、それは人間が作った曲にも同じように突きつけられる問いか。
プラットフォームの構造が変わるとき、最初に割を食うのはいつも「ちょうど中くらいの作品」だ。飛び抜けて個性的なものか、徹底してデータ最適化されたものか。そのどちらでもない曲が、静かに沈んでいく。AI生成比率が50%を超えたという数字は、そういう未来の入口に立っているサインなのかもしれない。
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