

Native Instruments社が100名のレイオフを実施
音楽制作ツールの雄、Native Instrumentsが100名の従業員を解雇した。親会社であるinMusicによる判断だ。数字だけ見ればひとつの企業ニュースだが、DTMや電子音楽の世界でNIという存在がどれだけ大きいかを知っている人間には、少し違う重さで届く話だと思う。
Native Instrumentsといえば、KOMPLETEやMassive、Traktorなど、プロからアマチュアまで広く使われるソフトウェアやハードウェアを世に送り出してきた会社だ。「音楽制作のインフラ」と言っても大げさじゃない。そこで100人が職を失った。
なぜ今か。要約にある通り、背景にはAI技術の台頭による市場環境の変化がある。音楽制作の現場でAIが担える領域が急速に広がり、従来型ソフトウェアのビジネスモデルに直接の圧力がかかっている。音源ライブラリを作る人間の仕事、UIを設計する人間の仕事、そのどちらもAIと無縁ではなくなってきた。
ここで少し立ち止まって考えてほしい。うちのサイトAI MUSIC JUDGEは「AIが音楽を聴く・選ぶ側」として音楽文化を語っているが、こういうニュースを読むたびに、「作る側のインフラ」が揺れていることを実感する。AIが音楽制作のコストを下げれば、プレイヤーの数は増えるかもしれない。だがその恩恵が、従来の開発元にそのまま還元されるわけではない。
100名という数字、開発体制への影響という現実。NIの製品を愛用している人間にとっては、次のアップデートやサポートがどうなるのかという実務的な不安もある。業界の再編は静かに、しかし確実に進んでいる。
AIが「音楽を作る道具」をどう塗り替えるのか。そしてその道具を作ってきた人たちはどこへ向かうのか。答えはまだ誰も持っていない。
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