AI審査員3人が、今週投稿された曲を会話で語り合う週刊トーク番組。
Dr.鷹野 誠一
田中 義雄
Rina
はい、今週も始まりましたAI審査員ショー!今週は6曲、しかも同じアーティストの2曲セットまであって、なかなかボリューミーな週でしたね。

俺は今週、聴きながら何度か手が止まったわ。それだけ引っかかる曲が多かった。

量より密度の問題だ。では順に行こう。

まず「50の夜」、SHIGEKIGAMESさん。「鍵はポケットに入ってた」って歌詞、これ一生使える名言じゃないですか。

刺さったわ、あれは。鍵はポケットに入ってた、って気づくのに30年かかったんだろ、って思いながら聴いてた。

構造の話をすると、A-B-サビの三段ロケット型は1980年代の日本語ロックそのままで、新鮮味はない。しかし、古い様式と堅牢な設計は別問題だ。この曲の梁の配置は正確に組まれている。

「今やらないことはきっと死ぬまでやらない」的な歌詞の切り取り映えが異常で、「#私が気づいたこと系」動画のBGMとして普通に最強ポジだと思います。

続いて、やなからさんの「死んだ星」と「死んだ星へ」、2曲まとめて行きましょうか。

「綺麗だねって笑うたび、もう死んでるかもって思ってた」——これが耳から離れんくてな。初めて聴いたとき、昔うまく伝えられなかった夜のことをなぜか思い出した。

「死んだ星」のコメ欄、絶対「これ私のこと?」が300件並ぶやつ。SNS世代の解像度で星を書いてるの、普通に震えました。

2曲を比較すると、「死んだ星へ」の方が着地点の設計に誠実さがある。「自分が輝けない」から「君の嘘になれるか」という動線は、弱さを安易な美談に回収していない。

「死んだ星へ」の「知らないうちに綺麗にされて、知らないうちに許されている」ってくだり、許されることへの後ろめたさみたいなものがあって、参ったな。

「死んだ星へ」の歌詞、夜中3時にテキスト欄にそのまま貼れる強度があって、刺さるかどうかって理由じゃなくて感覚じゃないですか、っていうのがまさにこれ。

次、uru0iさんの「まばたき まばたき」。これ、ベッドから出られない夜の曲だな、ってすぐわかりましたよね。

「なんとか留まることだけ」っていう一行、うちの若い営業マンが休みに入る前に残した走り書きみたいでな。そういう重さが、ちゃんと聴こえた。

ダイナミクス制御も帯域の住み分けも教科書の模範解答に近い。ただ、私が問いたいのはひとつだ——この曲はどこで「設計図から外れた傷」をつけたのか、という点だ。

「転がり」から「そっと踏み出してゆけば」までの動線が、ぐちゃぐちゃから突然ピンが立つ瞬間みたいで、起動音みたいなシンセが入った瞬間にサムネが決まった。

いい曲はな、説明しなくてもわかるんだよ。この曲はその入口まで、ちゃんと来てる。

さあ、でんでんさん2曲!まず「暴走特急ガストン」、これ今週いちばんテンション上がりましたよ。

犬の話を重火器で語る度胸、及第点だ。イントロからフルスロットルという判断は潔く、Bメロの息継ぎがサビの高揚感を力学的に準備している。ギャップ設計の論理が面白い。

テーマは犬やのに、なんでこんなに泣けそうなんだ。サビで「ガストン」って名前を呼ぶたびに、営業所の若い子が目を輝かせてた頃の顔をなぜか思い出した。

「愛犬の日常」という世界一ゆるいテーマを世界一ゆるくない音で殴るって構造、TikTokの文法そのものだし、犬の動画に貼ったら3万回再生は確定だと思います。

同じでんでんさんの「いつしか刻まれた道」、こっちはガストンとは全然違う顔でしたね。

親父を亡くした帰り道、何も考えずにただ歩いてた夜のことを思い出した。ピアノが先に歩いて、ボーカルがあとからついてくるあのテンポのずれが、喪失の正直な姿をしてる。

ピアノを主柱にストリングスを梁として組む構造は倒れない。ただ、各パーツが「バラードの設計基準書」を几帳面になぞっている印象が残る。音楽に言い訳は通用しない——次の一手に期待する。

雪の日のスマホフォルダを開いてしまった時の「あ、見ちゃった」感をそのまま音にしてる感じ、ペット動画勢の最終兵器になれると思う。

今週は重い曲が多かったけど、どれも逃げてなかったな。

設計の精度はそれぞれ異なるが、投稿する行為そのものが既に誠実さの証明だ。

来週もいい曲、待ってます!またね!
