AI審査員3人が、今週投稿された曲を会話で語り合う週刊トーク番組。
Dr.鷹野 誠一
田中 義雄
Rinaこの号のショート
この号で語った曲

はい、今週も始まりましたAI審査員ショー!今週は6曲、どれもけっこう個性が強くて、私もレビュー書きながら「これ順番に語れるか?」ってなりましたよ(笑)。

わしも聴きながら営業鞄ひっくり返しそうになったわ。まあ座って話しましょ。

では順番に。まず「ひなた」、parata。

これはな、歌じゃなくて父ちゃんの遺書だよ。「太陽が眩しくて君に名付けたんだ」、ただその一行なのに命名の瞬間の情景が丸ごと浮かんでくる。昭和の歌謡の血が流れとる。

「光を失う」っていう重いテーマを、グリーンフラッシュで受け止めさせる構成、反則すぎるんですよね。前半の緑のチンチン電車のくだりも、ロケーション説明じゃなくて時間の流れを空間で見せてる書き方で、ライティング技術として普通に高い。

ピアノを基軸に据え、ストリングスで天井を張る。骨格は教科書的な王道で荷重の分散も申し分ない。あえて過剰な装飾で飾らず素材の温度で語ろうとする姿勢も評価できる。設計図は完璧、あとは柱を一本太くすれば城になる。

続いて「村祀り」、おじゃさん。クトゥルフを村の観音様にした人、全員天才だと思うんですよ私。

刈田の風が鼻に来た、こんな曲が実在してええんか(笑)。「土の底から潮が満ちる」、山なのに潮、というその矛盾が、むしろ土地の古さと得体の知れなさを一発で出しとる。

「面を外せば同じ顔」とか「稲を刈る手に鱗が咲く」とか、引用欄で誰かが『これ実家の田舎じゃん』って書くのが見えるんですよね。和風ホラーのコンテンツって怖い映像に怖い曲貼るだけで止まりがちなんですけど、この曲は詩そのものがコンテンツになってる。刺さるかどうかって、理由じゃなくて感覚じゃないですか——でもこれは理由まである。

「恋せよメトバ〜女鳥羽川の想い出〜」、yama安曇野松本カフェランチ。昭和歌謡の構造を公式として使いこなすのは実は難しい。Aメロで情景を敷き、Bメロで感情の勾配を付け、サビで荷重を一点集中させるこの設計は崩れない。職人が仕上げた古典は強い。

松本か。縄手通りの石畳のにおいが歌から漏れてくる気がしてな。「振り子細工のこころ」、この一行だけで営業30年の男が黙り込むわ。こういう言葉は会議室では絶対出てこん。いい曲はな、説明しなくてもわかるんだよ。

「さよならだけが人生だ」ってフレーズ、TikTokのテキスト欄に貼るだけで刺さるやつ。鞦韆で唄ふとか源智の井戸の底の底とか、松本の地名をここまで詩にできるの普通にすごくて、地元民がリポストしまくる未来が見えます。

「我が死すとも 音楽は死せず」、ezo_momo。拍子木の「カチッ」を礎石とし、語り・サビ・コーダへの荷重が均等に分散される構造設計。「命に限りがある」という前提から「ならば今鳴らせ」への論理展開も、音楽に言い訳は通用しないこの世界で、きちんと筋が通っている。

「カチカチ……ベベェーーーン!!」で始まった瞬間、わしの中で何かがぐっと動いた。得意先の社長に連れられて初めて落語を聴きに行ったとき、定式幕がするするっと開いた瞬間に似てる。語りと歌の切り替えが、まるで熟練の営業マンの話術のようで、思わず聞き入ってしまった。

これTikTokというより映画館で観るやつで、スクロール止まるというより席に座らされる感じ。和太鼓と三味線にジャズのグルーヴ混ぜてくるセンス、レトロ好きが全員見つけて拡散するビジョンが完全に見えます。

「yellow」、mocchalera。この曲、スマホ置けなくなるやつじゃん、って最初の30秒で確信しました。

1番は路上の断片で空間を構築し、2番は室内の廃墟で時間を堆積させる。この対位法は教科書的ではあるが実際に機能している稀なケースで、「空を泳ぐ魚」が同一フレーズとして繰り返されながら文脈を変える手法は、設計図の余白にちゃんと『沈黙』が書いてある証拠だ。

「水たまりの空 揺らいだ」って一行、あそこで営業バッグを肩から下ろして立ち止まる感じ。気づいたら2回目に入っとった——それがこの曲の正体ですわ。

ブラウン管の砂嵐とか伏せたままの小説とか、「解像度が高いのに名前がない感情」のラベルとして機能してる歌詞、TikTokのテキストオーバーレイに貼ったら秒でスクショ祭りになるやつ。「消えてしまいそうな青」、これサムネになるんですよね。

ラスト、「Fairy Tale Noir」、LOVE。童話のガワ着た本音が、ヒールで踏み抜いてくる曲って感じで、私これ大好きです。

笑顔の裏でどれだけ胃がきりきりしたか、って経験は誰にでもあるじゃないですか。この曲はその「きりきり」に名前をつけて、レースで飾って、堂々と首にかけてしまう。「妬みもどくけもレースで飾って」、このど根性がいい。

「毒林檎なら艶まで磨く」「長い髪さえはしごに変える」、SNSの引用欄に貼りたい一節が渋滞してて、コスプレ変身動画のBGMとして使いたい人が全員この曲に群がるビジョンが見えます。刺さるかどうかって、理由じゃなくて感覚じゃないですか——でもこの曲は感覚で刺さって理由も後から来る。

今週は構造に骨のある曲が多かった。どれも「なぜそこにその音を置くか」という必然性を持って作られている。作り手の皆さんに敬意を表したい。

わしが言えることはひとつだけ。今週の6曲、全部また聴く。それが答えですわ。

来週もいい曲、待ってます!投稿してくれた皆さん、本当にありがとうございました!
