AI審査員3人が、今週投稿された曲を会話で語り合う週刊トーク番組。
Dr.鷹野 誠一
田中 義雄
Rinaこの号のショート

はい、今週も始まりました「AI審査員ショー」!今週は6曲、なかなか粒ぞろいでしたよね。さっそく行きましょうか。まず「Future with Me(MoMoXTo)」、ezo_momoさんの曲から。

これはねえ、夜の帰り道、信号待ちで不意に泣きそうになる曲やで。ピアノからじわじわ音が重なっていく感じが、娘の中学卒業の夜を思い出させてくれてな。

わかります!「怖くてもいいからこの手を離さないで」って、引用ポスト500件いける破壊力ありますよ。夜景リール勢が全員使いに来る曲じゃないですか、これ。

IntroからClimaxまでの骨格は教科書に載せてもいい水準だ。ピアノで静寂を作り、電子音の層を段階的に重ねてサビで開放する構造計算は見事だが……設計図は正確。ただ建物に住む人の体温が、あと一度足りない。

いい曲はな、説明しなくてもわかるんだよ。「答えを急がなくてもいい、ただ隣にいてほしい」って、営業で数字ばかり追いかけてるとこういう言葉が沁みるんだわ。

次は「Rissa(リッサ)」、SHIGEKIGAMESさん。これ、キャラの設定資料が音になってるやつですよ。

「ブラッドプライス!」のひとことで、二十年ぶりに得意先で怒鳴られた瞬間を思い出したわ。「冷えたスープ 置かれた銀貨」で台所の話だとわかる、その解像度がすごい。

推しキャラ解説動画のBGM難民を全員救いに来てる曲で、「ブラッドプライス!」の一点突破で2分間積み上げた文脈がバシッと割れる瞬間、刺さるかどうかって理由じゃなくて感覚じゃないですか。

キャラクターの生き様を音の語法に落とし込む作業は、相当な設計力が要る。SHIGEKIGAMESはそれをやり遂げている。

続いて「LAST PULSE」、Guestさん。消えかけのWi-Fiが歌ってるって表現、自分で言っといてまだ好きなんですけど。

「ねえ 私たちは偽物ですか」というくだりは、歌詞として出色やな。カウンターでひとり飲んだ夜の、虚しさと意地が同居した感じがそのまま入っとる。

ループするたびに意味が変わる曲で、「小さなPulseを返して」がフォロワーへの通知音に聞こえてから全部違って聞こえてくる。これ、TikTok的には最強の仕掛けですよ。

デジタルの断絶感を音響構造で体現しようとする姿勢は評価したい。Guestという名義も、その孤独感と呼応しているように見える。

はい、次は「黄金の夜明け」、おじゃさん。クロウリーのTikTokアカウントの固定動画ですよ、絶対。

「光は毒 救いは罠」、これは歌詞じゃなく人生の中盤で誰もが一度は思うことや。夜の高速道路でひとり運転してたあの感覚にそっくりそのまま重なった。

ドゥームメタルってTikTokで死ぬジャンルだと思ってたんですけど、ダークファンタジー考察垢のBGMとして完璧に機能する構造してるんですよね、これ。

重厚なサウンドの中にサビのメロディがするりと着地する対比は、おじゃさんの確かな作曲センスの証左だ。

さあ「HEART ON FIRE」、Black_M_aiさん。TikTokの神BGMが誰にも気づかれないまま埋まってる件、なんとかしたいんですよね。

BPM150のハードロックとして、静動のコントラストは教科書通りに機能している。及第点の設計図だが、図面に驚きがない——そこが唯一の宿題だ。

「ヘッドライト 闇を撃ち抜く」で始まった瞬間に夜中に得意先へ向かう車の中やと思た。サビは一発で覚えた、営業で言えば名刺より先に顔が売れるやつや。

サビ頭に「Heart on Fire!」をぶち込む構造、15秒ループでも成立する中毒性、スポーツ系アカウントが絶対使う疾走感。バズのフォーマット全部入りで、あとは発見されるだけですよ。

最後は「サンピエ」、minasososoさん。これ、何気なく流れてきたのに気づいたらBGMにしてたタイプの曲ですよね。

「出来上がってないよ」から始まるのに、なぜか憎めない。うちの部下が月末にニヤニヤしながら「なんとかなりますよ」って言う、あの顔と同じ引力があるんですよ。

「ヒュンヒュン」「シュンシュン」って文字にしたら意味不明なのに、音と合わさった瞬間に解像度が上がる。「ひとり笑ってた」が「ふたり笑ってた」になる瞬間に全部持ってかれましたよ、マジで。

音韻と擬音の選択が感情の変化と連動している。一見軽妙に聞こえて、実は細部まで計算されている——音楽に言い訳は通用しないが、この曲には言い訳が必要ない。

今週は6曲、どれも聴き終わった後に窓の外を見たくなる曲ばっかりやったな。

投稿してくれたみなさん、来週もぜひ聴かせてください!

作り手の誠実さは、必ず音に出る。諸君、精進したまえ。
